高知県佐川町の山中にある保育園の提案である。周辺の豊かな自然環境を活かしながら、地域全体が子供にとって安心安全な場所となり、見守り環境を醸成していく場となることを目指した。

建物を地形に沿って配置することにより、敷地内に異なる3つの庭、「地域の庭」「大きな庭」「小さな庭」を作った。「地域の庭」は、地域を受け入れる空間となり、様々な行事に活用できる。ここで地域の大人と子供が関わることで、遊びが伝承され、遊ぶ力が育てられる。「大きな庭」にある地形を活かした多様な場所は、子供の探索行動を促し、遊びを「発見」できる場となる。「小さな庭」は、乳児が安心して遊べる環境となる。

保育園の中心には、管理機能をもつ遊戯室を配置することで、子供の安全に配慮したゾーニングとし、間仕切りを可変的なものにすることで、様々な行事に対応できる空間とした。保育園に地域が関われるように計画することで、保育園を中心に子供たちを地域全体で見守り、育てるサイクルを生み出す。それにより、保育園は子供のためだけでなく、地域の中心施設になっていくことを提案した。