幼保連携型認定こども園に増設された卒園児を受け入れる小さな学童施設である。
幼児期には管理しすぎない自由闊達に成長する環境が必要とされる。
活発な園児により実証されている「主人公は園児達」という園の思想を体現する建築として、
「第二のグラウンド」となる大きな屋根で、つくり込み過ぎない、おおらかな環境デザインを試みた。
安全安心の名の下に管理し過ぎる施設が多い中、運営の本質であり、園長先生から常に感じられる
「園児を一番に考える姿勢」に共感した。設計では作りこみ過ぎずおおらかに、園児の自由闊達な活動を支え、
「主人公は園児達」というメッセージを伝える空間をいかに創出するかがテーマとなった。
これには「グラウンド」のような環境を目指すことにした。「グラウンド」は、園児の行動を受け止め、制約を与えない。
自然な勾配に園児もアダプタブルに対応できる。雲梯等の道具が置かれれば、フレキシブルに活用される。
アダプタブルにもフレキシブルにも、園児の活動を自然に誘発する
「グラウンド」のような環境としての建築を構想することにした。
屋上は「グラウンド」と同一素材とし、作りこみ過ず、遊びの仕掛けを盛り込みながら、
自然監視による安心な環境づくりに心がけた、「第二のグラウンド」を目指した。